87. 神様は、応用がきかない…
ずーっと昔に、田口ランディさんのエッセイを読んでいたら、
「学生の時に『田口くん』という男の子が大好きで、『神様、田口くんと結婚させて』と祈っていたら、なんと数年後、本当に『田口さん』と結婚した。ただ、学生の時に好きだった田口くんとは別人だったけど…(笑)」
という話が載っていた。
 
その話に、当時のお茶のこは
「『田口くん違い』やて〜。神さまって応用が利かへんねんなぁ〜
と、軽〜く思っておりました。
 
で、それから約十年後…。
年末の大掃除の際、「開かずの間」…いえ、違いました。物置を開けてびっくり。
なんと、お茶のこの昔の日記が、出てきたではありませんか!!
 
「今日は健康診断だった。名簿順で並んでいるとき、友達がムチャクチャ盛り上がっているのが見えた。ワタシも苗字が 「い」 だったら、みんなと一緒に盛り上がれるのに…と思った」
 
「今日、お父さんに『ペットが欲しい』と言った。すると、『散歩が大変やし、飼う場所も無い。夜店で金魚を取って来い』と言われた」
 
「友達は、お母さんと一緒にクッキーを作ったりしている。ウチの母は商売をしていて、クッキーどころか夕飯を作る暇もない。みんながすごく羨ましい」
 
…と、その時の気持ちが切々と綴られたり、中には
「『じぶんの部屋が欲しい』と言うと、『ウチでは無理や。部屋が余っている家に、嫁にいけ』と言われた」
というコメントとともに、「理想の部屋」のイラストが、これまた切々と描かれているではありませんか。
(しかも、「机を置いて、ドレッサーも置いて、ベッドも置いて…」 と、憧れをどんどこ継ぎ足したせいで、エッライ横に細長い部屋になっとるし…)
 
「おおっ、懐かしい〜!! ワタクシってば、昔、こんなコト考えていたんや〜!!」 
 
「そういえば、昔は『自分の部屋』や『可愛いペット』が欲しくて欲しくてたまらなかったわん♪」
過去の自分の日記を読むたび、懐かしい思い出が蘇りました。
 
その時です!!
「ん…!? そういえば…」
 
お茶のこは、スゴイ事に気付いたのです!!
それは…
 
 
 
「もしかして、ワタシ…
結婚して、苗字の頭が『い』になったり
義理とはいえ、『おかあさまと楽しく(!?) パン作り』したり、
凶暴な…いや、可愛いペットと暮らしたり
日記に描いたような、ほっそ長〜い部屋を頂いたり
 
ガビーン!!
この日記の夢、全部叶っとるやん…!! 」
 
知らない間に、子供の頃の夢を、すべて叶えていたワタクシ。
思わず、天を仰いで呟きました。
 
「神様、夢を叶えてくれてありがとう…。んでも、イメージとかタイミングとか、ナンかが違うねん…」
Copyright (C) 2003-2004 mascara-fabrica All rights reserved